先斗町 ぷらりっ !


京都は 石造美術 の 宝庫だ。


平安遷都以来、

京都には 各時代を通じて 多くの石造美術遺品を有する。


このうち、 重要文化財指定 が 32点、

重要美術品指定 が 21点、 府市町村指定 が 6点、

その数が 単に多いというだけでなく、

その古さや 勝れた点に於いては、 はるかに 他都市をぬきにでていると思う。


しかし、 庭園 や 建築、 仏像 ・ 絵画などに 興味をもたれるのに対し、

石塔 や 石燈籠など 石造美術 は 地味なため、

一部の人を除いては 関心が薄いのも事実。



今回、行き交う人達の袖が擦れ合うほどの狭い通り、

少々ぶつかっても お互い笑顔で返す、

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京都先斗町 を ぷらりと散策した時に撮影した、

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現代の 石造美術 の 写真、 あわせて 簡単な解説を付し 紹介します。





■ 橋杭形手水鉢 ■

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この種のものは橋脚の一部を切り取って、

上部に水穴を拵えて手水鉢として利用したもの。

本来、 橋杭形手水鉢 は 高さのある手水鉢です。

なぜ 地中深く 埋めるよーに据え付けられているのかは、わたくしとて 疑問 ・ ・ ・





■ 石燈籠 ■

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この種のものは、 ほとんど 近世以降に 創案されたものでしょう。

火袋 が 特徴的で、 石大工が 意匠を凝らし

格子紋様 として 表現したのではないでしょーか?






■ 石燈籠 ■

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これも 近世以降に 創案されたものでしょう。

基礎、 火袋、 宝珠 全てが 一体型 で、

ここにも 石大工達が 意匠を凝らして、 精華を問うていることが 伺えます。

何か 静けさのなかに 楽しさを感じられるのは 私だけでしょうーか?

「 ・ ・ ・ ・ 静楽 」






■ 枡形手水鉢 ■

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桂離宮 松琴亭 腰掛待合 近くにある、方形の手水鉢の 代表的な作品

、の コレは 写し

方形の鉢に 同じ方形の水穴を 斜めに彫った 意匠





■ 道標 ■

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「 春 夏 冬 二 升 五 合 」

皆さんは この意味が 解るでしょーか?








秋 が 無い  →  商い

二升  →  升 ( ます ) が 二つ ます × 2

五合  →  一升 の 半分 すなわち 半升 ( はんじょう )




商 売 益 々 繁 盛 ! !

楽しいですね~




追伸: 先斗町の名称の由来

先斗 という 地名の語源は ポルトガル語 の ponta ( 「 先 」 の 意 ) にあるとされる。

鴨川 と 高瀬川 に 挟まれているため、 堤であると捉え、鼓が 「 ポン 」 と 鳴ることに掛けて、

「 ぽんと 」 と なったという。



石造美術 めぐり、 皆さんも一度 行ってみては ? かならず 新たな 発見 あると思います。

by tokan-en-hardrock | 2007-08-14 13:57 | 都乾園

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